解熱・鎮痛に用いられるカロナールの効果や副作用について詳しく解説していきます!
また効くまでの時間や服用をオススメ出来ない人についても解説します。
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目次 必要な場所から読んでください
カロナールとは?
痛みは患者が医療機関で受診する際に訴える最も多い症状の1つです。
短時間の鋭い痛み、鈍く長時間続く痛み、胃痛や心筋痛などは異なる神経を伝わりますが最終的には脊髄から中枢神経系である大脳の感覚野で痛みと認識されます。
痛みを鎮める薬は対症的な効果を示すことが目的であるため副作用の少ない薬が望まれます。
小児の鎮痛薬として従来もっとも広く使用されてきたアスピリンには命に関わる急性脳症(ライ症候群)の危険性があり使用が制限されていました。
これに代わって推奨されたのが小児にも広く使用できるアセトアミノフェンです。
アセトアミノフェンは中枢神経に作用して解熱・鎮痛作用を示します。
カロナールはアセトアミノフェンを主成分とする解熱鎮痛薬です。
カロナールには細粒や錠剤がありましたがアセトアミノフェンの強い苦みのために小児用にシロップが開発されました。
苦味のみではなくのどの痛みがある場合に使用される坐剤もあります。
カロナールとはこんな時に使用します
【カロナール錠200・300・500、カロナール細粒20%・50%】
頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症の鎮痛に使用されます。急性気管支炎を含む急性上気道炎の解熱・鎮痛に用いられます。
小児科領域の解熱・鎮痛に使われます。
【カロナール坐剤小児用50・100・200・400、カロナールシロップ2%】
小児科領域の解熱・鎮痛に使用されます。
カロナールの種類・形状・サイズについて
カロナール錠
200 | 300 | 500 | |
剤形・形状 | 割線入り錠剤
メントール臭あり 苦い |
白色の素錠
メントール臭あり 苦い |
白色カプレット
素錠 |
サイズ | 直径;10mm
厚さ;3.3mm |
直径;10mm
厚さ;4mm |
長径;17.5mm
短径;7.5mm 厚さ;5.3mm |
カロナール細粒
20% | 50% | |
剤形・正常 | 淡橙色の細粒、わずかにオレンジのようなにおいあり、味は最初甘く後で苦い |
カロナールシロップ
2% | |
剤形・性状 | 白色~淡黄褐色のシロップ剤、オレンジのようなにおいあり、味はわずかに甘い |
カロナール坐剤
50 | 100 | 200 | 400 | |
剤形・形状 | 白色~淡黄色の紡錘形坐剤
わずかに脂肪臭あり |
白色~淡黄白色の紡錘形坐剤
においは無し |
||
サイズ | 長径;20mm
短径;8mm |
長径;25mm
短径;9mm |
長径;26mm
短径;9mm |
長径;30mm
短径;11mm |
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カロナールの効果・効能
カロナールは主成分のアセトアミノフェンの中枢性の解熱・鎮痛作用により効果を発揮します。
頭痛への効果
中枢神経系である視床と大脳皮質において、より強い刺激でないと痛みを感じなくする作用によって風邪の頭痛などの痛みを和らげます。
歯痛への効果
主に虫歯や歯周病で歯髄にある神経が刺激を受けることや炎症が起こることで歯が痛くなります。
中枢神経の痛みを感じる始める刺激の強さを変えることで歯痛と抜歯後の痛みも鎮めます。
生理痛への効果
生理痛は人によって様々で腹痛、腰痛、頭痛など身体的な痛みとけん怠感、無力感、食欲不振などと多くの症状があります。
カロナールは中枢神経が痛みを感じることができる刺激の強さを変え、より強い刺激でないと感じられなくすることにより生理痛に伴う身体的な痛みを緩和します。
解熱効果
視床下部の体温中枢に作用して熱を外部に散らすために体内の水分の移動や血管の拡張を行うことで解熱作用を示します。
カロナールシロップは38度以上の発熱が認められた生後3カ月から6歳未満の患者に対して用量依存的な解熱作用が報告されています。
インフルエンザ時の効果
インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって突然の発熱と頭痛、悪寒、筋肉痛、全身倦怠感、乾いた咳などの症状が出てきます。
頭痛や筋肉痛などの痛みの症状を和らげ熱を下げる作用があります。
腰痛・筋肉痛への効果
腰痛症の患者の痛みを和らげることが報告されています。
また中枢神経系に作用して筋肉痛を抑えます。
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カロナールの副作用
高用量を投与する場合や飲み合わせる薬によって重篤な肝障害が出ることが警告されています。
様々な病状において使用してはいけない場合があります。
副作用が出現する頻度は全て調査された事が無く不明です。
カロナールの副作用一覧
重大な副作用症状 | |
アレルギー性のショック
(アナフィラキシーショック) |
呼吸困難、全身紅潮、血管浮腫、じん麻疹など |
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症 | 高熱(38度以上)、発疹・発赤、水ぶくれ(やけど様)、目の充血、皮膚のただれ、皮膚の広い範囲が赤くなる(白いぶつぶつがある)、食欲不振、けん怠感 |
肝臓 | 劇症肝炎、肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇)、黄疸 |
腎臓 | 間質性腎炎、腎不全 |
血液 | 顆粒球減少症 |
呼吸器 | 喘息性発作の誘発、間質性肺炎 |
その他の副作用症状 | |
血液 | チアノーゼ、血小板減少、血小板機能低下(血液凝固時間延長など) |
消化器 | 悪心・嘔吐、食欲不振など |
その他 | 過敏症 *小児ではめまい、冷や汗、過度の体温降下 |
アナフィラキシーショックとその対処法
薬に対するアレルギーによるショック症状で呼吸困難、全身紅潮、血管浮腫、じん麻疹などのアレルギー症状が現れた場合は投与をすぐに中止して副腎皮質ホルモン注射などの適切な処置を受けてください。
皮膚・粘膜障害とその対処法
発疹・発赤、水ぶくれ、目の充血、皮膚のただれなどの皮膚症状が出た場合は薬の投与を中止してかかりつけの医師から副腎皮質ホルモン投与などの必要な処置を受けてください。
喘息発作とその対処法
喘息発作が認められた場合は医師に相談して必要な場合は処置を受けてください。
肝機能障害とその対処法
肝機能の指標であるAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどが上昇した場合は投与を中止し医師から適切な処置を受けてください。
鼻血・皮下出血とその対処法
カロナールの副作用である血小板減少症が疑われます。
投与を中止して医師の指示を受けてください。
出血傾向が重篤な場合は副腎皮質ホルモンの投与などの処置を受けることがあります。
間質性肺炎とその対処法
咳、呼吸困難、発熱、肺音の異常がある場合には胸部X線、胸部CT、血液検査を行います。
検査で異常のある場合は投与を中止して副腎皮質ホルモンの投与などの処置を医師に受けてください。
尿が出ない、濁り、泡立ち、血尿などとその対処法
腎臓障害の副作用が出ている可能性があります。
医師に報告し必要な検査などを受けてください。
異常が認められた場合は副腎皮質ホルモン投与などの処置を受けましょう。
吐き気・食欲不振とその対処法
副作用の1つとして報告されていますので医師に報告し胃薬の併用などの必要な処置を受けてください。
腹痛・下痢とその対処法
投与量が過剰な場合に腹痛や下痢が起こることがあります。
腹痛と下痢は適用疾患の上気道炎の症状でもあるので医師に報告し薬の減量などの必要な処置を受けてください。
発疹・蕁麻疹とその対処法
カロナールに対するアレルギーが起こっている場合があり投与を中止しないとショック状態になる危険性が考えられます。
投与を中止して医師に副腎皮質ホルモン投与などの必要な処置を受けてください。
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カロナールの用法用量・服用方法
肝臓に対する重篤な副作用を避けるために超えてはいけない1日の投与限度量がありますので注意が必要です。
カロナールの正しい飲み方や服用回数
【頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症などの鎮痛】
カロナール錠・細粒を成人には1回アセトアミノフェンとして300~1000mgを経口投与します。
4~6時間の投与間隔で1日総量は4000mgを限度にします。
空腹時の服用は避けることが望ましいです。
【急性気管支炎を含む急性上気道炎の解熱鎮痛】
カロナール錠・細粒を成人には1日300~500mgを症状の強い時に経口投与します。
原則1日2回までとして1日総量は1500mgを限度とします。
空腹時の服用は避けることが望ましいです。
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カロナールの小児、妊婦や授乳中の服用方法
【小児科領域の解熱鎮痛】
低出生体重児、新生児、3カ月未満の乳児に対しては安全性が確認されていないので投与には注意が必要です。
カロナール錠・細粒。坐剤・シロップを小児にアセトアミノフェンとして体重1kgあたり1回10~15mgを投与します。
投与間隔は4~6時間とし1日の総量は60mg/kgを限度とします(成人の投与量は超えない範囲)。
錠、細粒、坐剤、シロップの投与量の目安を下表に示します。
体重 | カロナール錠 1回の経口投与量 | |||
アセトアミノフェン | 錠200 | 錠300 | 錠500 | |
10kg | 100-150mg | 0.5錠 | ― | ― |
20kg | 200-300mg | 1-1.5錠 | 1錠 | ― |
30kg | 300-450mg | 1.5-2錠 | 1錠 | ― |
体重 | カロナール細粒 1回の経口投与量 | ||
アセトアミノフェン | 20% | 50% | |
5kg | 50-75mg | 0.25-0.375g | 0.1-0.15g |
10kg | 100-150mg | 0.5-0.75g | 0.2-0.3g |
20kg | 200-300mg | 1.0-1.5g | 0.4-0.6g |
30kg | 300-450mg | 1.5-2.25g | 0.6-0.9g |
体重 | カロナール坐剤 1回直腸投与量 | ||||
アセトアミノフェン | 小児用50 | 100 | 200 | 400 | |
5kg | 50-75mg | 1-1.5個 | 0.5個 | ― | ― |
10kg | 100-150mg | 2-3個 | 1-1.5個 | 0.5個 | ― |
20kg | 200-300mg | ― | 2-3個 | 1-1.5個 | 0.5個 |
30kg | 300-450mg | ― | ― | 1.5-2個 | 1個 |
体重 | カロナールシロップ 1回経口投与量 | |
アセトアミノフェン | 2% | |
5kg | 50-75mg | 2.5-3.75mL |
10kg | 100-150mg | 5.0-7.5mL |
20kg | 200-300mg | 10.0-15.0mL |
30kg | 300-450mg | 15.0-22.5mL |
【妊婦・授乳中の女性に対する解熱鎮痛】
妊娠中の女性に対してカロナールの安全性は確立していないので使用には注意が必要です。
カロナールは母乳からも検出されます。
新生児や3カ月未満の乳児に対しても安全性は確立していないため使用に注意してください。
カロナールの高齢者の服用方法
高齢者では副作用が出やすいため少量から副作用に注意しながら投与します。
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カロナールが効くまでの時間
投与後1時間以内に血中濃度は最高値に達します。
成人に対して鎮痛効果は投与1~2時間後に現れます。
小児の解熱効果は投与3~4時間で出現します。
カロナールの効果持続時間や服用間隔
鎮痛効果に関しては痛みの原因となる病気や痛みの程度で薬の効き方が異なります。
また投与される量によっても効果の持続時間は異なってきます。
がんによる痛みに対してカロナールを1日約3000mgで1週間経口投与することで鎮痛効果が確認されています。
親知らずの抜歯後に患者の痛みを投与2時間まで和らげている報告があります(その後の効果は記載なし)。
風邪で発熱や頭痛のある患者にカロナール錠200を2錠経口投与することで6時間後までの解熱作用があることが報告されています。
カロナールが効かない!そんな時の対処法
糖分の多い飴、ゼリー、クラッカーや炭水化物を多く含む食事と共にカロナールを使用すると吸収される速度が遅くなりすぐには効かなくなる場合があります。
カロナールと共に食べる食事に注意してください。
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カロナールの服用がお勧めできない人
カロナールは重篤な病気にかかっている人には使用が禁じられています。
また過去にカロナールを使用してアレルギー症状を経験された方も使用してはいけません。
カロナールの妊娠中・授乳中の服用
妊娠中の女性に対する安全性は確立されていないので、薬の有益性がリスクを上回る時のみに使用してください。
妊娠後期に使用した場合に胎児に動脈管収縮が起こった例があります。
またカロナールは母体から乳汁中に分布しています。
新生児や3カ月未満の幼児では安全性が確立していませんので注意が必要です。
カロナールの子供の服用
新生児から3カ月未満の幼児での安全性は確立していませんので薬の有用性がリスクを上回ると医師が判断した場合のみ使用してください。
生後3か月以降の子供に対しては薬の効果と安全性が確認されていますので医師の処方によって使用してください。
カロナールの高齢者の服用
高齢者は副作用が出やすいので少量から副作用に注意しながら使用してください。
アスピリン喘息のある人
アスピリンを使用して喘息発作が出る方あるいは出た経験のある方の使用は危険性が高く使用が禁じられています。
血液・消化器・肝臓・腎臓・心臓に病気のある人
重篤な血液・消化器・肝臓・腎臓・心臓の異常がある人は使用してはいけません。
カロナールと他の解熱鎮痛剤を比較
慢性的な痛みに対する鎮痛薬にはアセトアミノフェン、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、オピオイド(麻薬性/非麻薬性)、神経障害性疼痛緩和薬、その他の鎮痛補助薬(抗てんかん薬/抗うつ薬/抗不安薬)があります。
カロナールはアセトアミノフェンを主成分とし、ロキソニンとボルタレンはNSAIDsに分類される薬です。
カロナールは比較的安全性の高い薬ですが、より強い痛みには内服のNSAIDSであるロキソニンやボルタレンが使用されます。
作用機序の違いとしてアセトアミノフェンは中枢神経である大脳皮質や視床に作用する一方でNSAIDsは末梢神経における痛みの伝達物質であるプロスタグランジンの生成を阻害します。
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カロナールとロキソニンの違い
カロナールとロキソニンの主成分と効果・効能を下表で比較しています。
カロナール | ロキソニン | |
主成分 | アセトアミノフェン | ロキソプロフェンナトリウム水和物 |
効果・効能 | ① 頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分別後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症などの鎮痛
② 急性気管支炎を含む上気道炎の解熱・鎮痛 ③ 小児科領域の解熱・鎮痛 |
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱鞘炎、膣周囲炎、上腕骨上頸炎、筋肉痛、外傷後の膨張・疼痛の鎮痛・消炎
|
カロナールとボルタレンの違い
カロナールとボルタレンの主成分と効果・効能を下表で比較しています。
カロナール | ボルタレン | |
主成分 | アセトアミノフェン | ジクロフェナクナトリウム |
効果・効能 | ① 頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分別後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症などの鎮痛
② 急性気管支炎を含む急性上気道炎の解熱・鎮痛 ③ 小児科領域の解熱・鎮痛 |
① 関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊髄症、腰椎症、腱鞘炎、骨盤内炎症、前眼部炎症、頚肩腕症候群、神経痛、後陣痛、月経困難症、膀胱炎、歯痛、手術後・抜歯後の鎮痛・消炎
② 急性上気道炎の解熱・鎮痛 |
カロナールの飲み合わせに注意!
飲み合わせが禁じられている薬はありませんが、他の解熱鎮痛剤であるNSAIDsとの併用で副作用が生じる薬があり、アセトアミノフェン製剤であるカロナールにも併用を注意する薬の飲み合わせがあります。
また飲酒で摂取するアルコールや抗てんかん薬のフェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドンと抗菌薬のリファンピシン、イソニアジドとの飲み合わせでアセトアミノフェンが肝毒性物質に変化するため肝障害に注意が必要です。
他の解熱鎮痛剤との併用は副作用が出現することが多く避けた方が良いです。
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カロナールは市販で手に入る?
カロナールは病院で処方されないと使用できない医療用医薬品ですのでドラッグストアや薬店では購入できません。
カロナールと同じ成分の市販薬
カロナールと主成分(アセトアミノフェン)が同じタイレソールAやラックルは薬剤師や医薬品販売資格を持った登録販売者のいるドラッグストアや薬店で購入できます。
カロナールの添付文書について
現在の製造販売会社であるあゆみ製薬株式会社から添付文書が出ています。
最初に赤字で肝障害リスクに関する警告が記されています。次に投与が禁じられている患者の情報が記載されています。
その他に【組成・形状】、【効能・効果】、【用法・用量】、【使用上の注意】、【薬物動態】、【臨床成績】、【主成分】などが記載されていますので使用前には一読ください。
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カロナールのQ&A
Q&A
何歳から服用してもいいのですか?
生後3か月以上の幼児からは薬の効果や安全性は確認されていますが3カ月未満の幼児や新生児では安全性が確立していません。
妊娠中や授乳中の体への影響や、子供への影響が心配されますが。
妊娠中の女性に対する安全性は確立していないので薬の有用性がリスクを上回ると判断できた時のみ使用してください。
母体からの乳汁中にカロナールが検出されています。新生児や3カ月未満の幼児において安全性が確立していませんので使用するべきかを医師に相談してください。
カロナールを市販で買うことができますか?
カロナールは病院で医師に処方される医療用医薬品です。
ドラッグストアや薬店では購入できません。
カロナールの病院処方薬と市販薬では成分に違い等ありますか?
カロナールと同様にアセトアミノフェンを主成分とする一般医薬品としてタイレノールAやラックルなどの第2医薬品があります。
第2医薬品は薬剤師あるいは医薬品販売資格を有した登録販売者のいるドラッグストアや薬店で購入できます。
カロナールとロキソニンがよく比較されますが、作用に違いがありますか?
カロナールはアセトアミノフェンを主成分とし中枢神経系の大脳皮質や使用に作用し解熱鎮痛効果を示します。
一方でロキソニンは非ステロイド抗炎症剤で末梢神経の痛みを伝える物質の生成を阻害する作用で解熱鎮痛作用を示します。カロナールは比較的安全性の高い薬ですが飲み薬のロキソニンはカロナールで効きにくい強い痛みに効果があります。もっとも鎮痛作用が強い薬はオピオイドで麻薬性と非麻薬性の薬があります。
カロナールは子供でも安心して使える薬のようですが、インフルエンザを発症した際に解熱目的で処方されました。インフルエンザへの対症療法薬と一緒に飲んでも問題ありませんか?
カロナールを他の解熱鎮痛剤と併用することはふくさようが出やすくなるので避けてください。
カロナールのジェネリック医薬品はありますか?
アセトアミノフェン、コカール、パラセタなどのジェネリック医薬品があります。
カロナール服用時に飲酒は控えた方がいいですか?
飲酒により摂取したアルコールは肝臓の解毒作用で代謝されます。
アルコールにより代謝する酵素が肝臓で増えるとカロナールの主成分であるアセトアミノフェンが肝臓に毒性を持つ物質に変化することが知られています。カロナールを使用している場合は飲酒を控えることが必要です。
カロナール服用時に眠気は副作用として起きますか?車の運転などは問題ないでしょうか?
カロナールに眠気の副作用は報告されていません。車の運転に関する注意もありません。
錠剤には200/300/500とあるようですが、使える対象者と服用量の制限がありますか?
年齢や症状によって服用量の制限があります。
錠剤の多様さは使用しやすいように提供されています。
カロナールは痛みの症状によって服用する量は変わりますか?
痛みの原因となる病気によって服用する量は異なります。
カロナールは熱が出ている途中での服用と熱が出きった時の服用とどちらの方に効果がありますか?
カロナールは脳の視床下部にある体温中枢に作用して体内の熱を体外に放出することで解熱作用を示します。
その効果は熱が出ているときに発揮されます。
変形性関節症のため長期服用する場合に注意する点はありますか?
カロナールに対するアレルギー反応(発疹、発赤など)が出る場合には使用を中止して副腎泌質ホルモン投与などの必要な処置を受けなければなりません。
そのまま使用を継続するとアレルギー性ショック(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、じん麻疹など)が出て危険です。
子供の片頭痛症状にカロナールを使っているのですが、体への負担と症状の軽減の狭間で使用をすべきか悩んでいます。どのように考えればよいでしょうか?
カロナールは解熱鎮痛薬の中では比較的安全性が高く子供にも使用できる薬です。
小児の1回の使用量は体重によって決まっており、また1日の総使用量には上限があるので、それを超えない用量で使用することと、副作用症状に注意しながらの使用を心掛けてください。生後3カ月未満の幼児では安全性が確立していないので医師に相談して使用するかを決めてください。

薬剤師 まとめ
今回の内容は医薬品の添付文書・インタビューフォーム、「今日の治療薬2017」、「脳の辞典(酒井健雄、久光正 監修)/成美堂出版」、厚生労働省ホームページを参考にしています。カロナールについて下表にまとめています。
商品名 | カロナール錠200・300・500、カロナール細粒20%・50%、カロナール坐剤小児用50・100・200・400、カロナールシロップ0.2% |
主成分 | アセトアミノフェン |
薬理作用 | 中枢神経系の大脳皮質と視床に作用して、より強い刺激でないと痛みを感じなくする作用で鎮痛作用を示します。視床下部の体温中枢に作用して体内の熱を放出する血管の拡張や水分移動により解熱作用を示します。 |
適用疾患 | ① 頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症の鎮痛
② 急性気管支炎を含む上気道炎の解熱・鎮痛 ③ 小児科領域の解熱・鎮痛 |
用法用量 | 適用疾患①;成人に1回アセトアミノフェンとして300~1000mgを経口投与、4~6時間間隔で1日総量は4000mgが限度
適用疾患②;成人に1回アセトアミノフェンとして300~500mgを経口投与、1日総量は1500mgを限度 適用疾患③;小児に1回アセトアミノフェンとして体重1kgあたり10~15mgを経口(錠、細粒、シロップ)か直腸(坐剤)投与、投与間隔は4~6時間、1日総量は60mg/kgを限度 |
薬物動態 | 投与後1時間以内に血中濃度が最高値に達する |
副作用 | 〇重大な副作用;アナフィラキシーショック、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、肝障害、腎障害、顆粒球減少症、発作喘息、間質性肺炎
〇その他の副作用;チアノーゼ、血小板(機能)減少、悪心・嘔吐、食欲不振、過敏症、めまい、冷や汗、過度の体温効果 |
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