有害微生物を殺滅する目的で使用されるホルマリンの効果や副作用を解説します!

また使用上の注意やエタノールとの違いについても解説していきます。

渡邉 孝正

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ホルマリンとは?

 

細菌やウイルスなどの有害な微生物は感染した患者の体内で増えた後で微生物が含まれる患者の血液・体液・皮膚が医療器具などに付着して感染していない新たな人へと拡がっていきます。

このような接触感染以外にも咳やくしゃみによる飛沫感染や空気中を漂う微生物による空気感染などの感染経路があります。

 

消毒は有害な微生物を殺滅することですが微生物には消毒薬に対する抵抗性があります。

 

最も死滅しにくい微生物は乾燥・熱・消毒薬に強い抵抗性を示す芽胞を形成できる芽胞形成菌です。

芽胞は悪化した環境を生き抜くために細菌が特殊な形態となって休眠している状態です。

 

これに対して外膜(エンベロープ)を有さないウイルスや結核菌は消毒薬に対する感受性がより高く、もっとも消毒薬に高い感受性を有している微生物はエンベロープを有するウイルスや増殖中の一般細菌になります。

 

芽胞形成菌などの病原微生物を消毒するためには幅広く微生物を殺滅出来る高水準消毒薬を一定の条件下で使用することが必要になります。

一方で、このような高水準消毒薬は人に対しても強い毒性も併せ持っており使用に注意が必要となります。

 

 

ホルマリン高水準消毒薬として有害微生物を殺滅する目的で使用されます

 

ホルマリンはこんな時に使用します

ホルマリンは医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒、歯科領域における感染根管の消毒に使用されます

 

ホルマリンの種類・形状・サイズについて

ホルムアルデヒド35~38%を含む溶液をホルマリンとしています。

ホルムアルデヒドの安定化のためにメタノール5~13%を添加している場合もあります。

 

各種メーカーから販売されている様々な種類を下表にまとめています。

種類 形状 サイズ
ホルマリン「ケンエー」 無色透明の液体(ホルムアルデヒド;35~38%、メタノール;5~13%)、刺激臭あり 500mL
ホルマリン「コザカイ」 500mL
「純正」ホルマリン 500mL、20kg
ホルマリン「ヤマゼン」 500mL
ホルマリン「タツミ」M 10mL
ホルマリン「タイセイ」 無色透明の液体(ホルムアルデヒド;35~38%)

刺激臭あり

500mL
ホルマリン「ニッコー」 500mL、20kg

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ホルマリンの効果・効能

 

ホルマリンに含まれているホルムアルデヒドは様々な物質と反応しやすく微生物のタンパクや毒素にも結合し変質させることで無毒化や微生物を死滅させる作用があります

 

歯科領域における感染根管の消毒の効果

歯の根の内部(歯髄)には血管や神経が通る管があり、これを根管と呼びます。

歯が成長する際に歯髄は必要ですが十分に歯が成長した後は根の周囲からの栄養で歯は生存していけます。

 

強い虫歯、歯の破損、外傷などで歯髄が炎症や感染を起こした場合には放置しておくことで歯の痛みや炎症の拡大、歯肉のはれや発熱など全身的な症状が出るため根管治療が行われます。

 

根管治療では歯髄を除去して感染防止のための消毒が必要となります

ホルマリンは中水準消毒薬であるクレゾールと混ぜて歯科領域の感染根管治療に用います

 

ホルマリンとクレゾールを配合して販売されている感染根管治療薬には下表に示すものがあります。

一般名 販売名 製造販売業者等
ホルマリン・クレゾール クリアエフシー アグサジャパン株式会社
歯科用ホルマリンクレゾール 日本歯科薬品株式会社
歯科用ホルムクレゾール「村上」 アグサジャパン株式会社
ホルムクレゾールFC「ネオ」 ネオ製薬工業株式会社
ホルモクレゾール歯科用消毒液「昭和」 昭和薬品化工株式会社

 

組織の固定液としての効果

病気の診断や医学薬学研究では患者や病態モデル動物の組織を観察することで重要な科学データを取得しています。

 

生物の組織を観察するためには組織をホルマリンや凍結した状態で固定化して観察しやすいようにさらに加工、染色を行う組織標本作製が必要となります。

ホルマリンは生物組織のタンパク質どうしをアルデヒド基の架橋を形成することで組織を死後変化の少ない生存状態に近い状態に固定化する効果があります

 

またホルマリンには病原微生物を殺滅する作用もあるため感染の危険性がある組織を固定化するとともに消毒も行い取り扱いやすく腐敗を防いだ生体サンプルにしてくれます。

ホルマリンによる固定では組織に十分に浸透させる必要があるため小さな組織ブロックにすることにより短時間で固定化でき、大きな器官や組織の状態では固定化に必要な時間は長くなります。

 

細菌毒素の無毒化への効果

細菌から産生され人などの宿主の体内に放出される毒素は宿主側の需要な生理機能を傷害することで毒性を発揮します。

宿主の細胞に結合し穴をあけてしまう毒素、生命維持に必要な機能タンパク質に結合し壊す毒素、神経の情報伝達を阻害する毒素などの多くはタンパク質から出来ている毒素分子です。

 

ホルマリン中のホルムアルデヒドは毒素タンパク質に化学的に反応性の高いアルデヒド基で結合し凝集させることで毒素分子が機能できない形に変化させて無毒化します

 

これら機能が低下した毒素は人などの宿主の体内では毒性の低い異物として免疫系に認識・攻撃されるため宿主側の毒素除去能を高めます。その結果、病原微生物の感染時の抵抗力を向上させることで感染防御にも繋がります。

 

生物標本の作製への効果

生物標本の観察は生命科学データとして重要な知見を与えてくれます。

生物の内部組織を観察する際には死亡した生物から摘出した組織を死後変化の少ない形で観察できるようにホルマリンや凍結などの固定化処理が必要となります。

 

ホルマリンは生物組織中のたんぱく質にアルデヒド基による架橋を形成し死後変化の進行を防ぐとともに消毒薬として作用して生物標本の腐敗を防ぎます

 

細菌消毒への効果

細菌に対する消毒薬には殺滅効果の対象となる細菌の幅広さによって分類されます。

多くの消毒薬に耐性のある芽胞をつくる芽胞形成細菌にも効果を発揮する一方で人体への毒性も強い高水準消毒薬、芽胞形成菌は殺滅出来ないですがそれ以外のほとんどの細菌を殺滅出来る中水準消毒薬、芽胞形成菌・ウイルス・結核菌には作用しませんが一般的な細菌に効果があり人体への障害も少ない低水準消毒薬があります

 

ホルマリンの2万倍希釈液で炭疽菌を、1000倍希釈液で芽胞を、6000倍希釈液でチフス菌を、1万倍希釈液で原虫を死滅します

 

防腐剤としての効果

病理標本や生物標本を作製する際に使用するホルマリンは組織のタンパク分子をアルデヒド基で架橋し死後変化の少ない形で保存するとともに細菌の死滅効果によって細菌による組織サンプルの腐敗を防ぐ防腐剤としての効果もあります。

 

特にホルマリンに組織を密閉した容器内に浸漬することでホルマリンからのアルデヒドの蒸発を防ぎ防腐効果を持続させます。

ホルマリンの消毒作用は高温で強くなるので18℃以上に保存することで長期間の防腐効果が期待できます

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ホルマリンの副作用

 

ホルマリンで医療機器、手術室・病室などを消毒する場合にはホルマリン液やホルマリン液から発生する毒性のある蒸気に触れないように注意して使用します

誤って蒸気を吸い込んだ場合や皮膚や粘膜に接触した場合には、これら誤操作によって引き起こされた身体に対する障害に対処が必要になります。

 

歯科領域の根幹治療で使用する消毒薬として人体に接触させて使用する際には副作用に注意が必要です

 

ホルマリンの副作用一覧

種類 副作用症状
重大な副作用
歯科領域 アレルギー、アナフィラキシー(蕁麻疹、搔痒、呼吸困難、血圧低下)
その他の副作用
歯科領域 歯根膜炎

 

歯根膜炎の症状とその対処法

歯髄の感染や炎症で根管治療をする際に歯髄を除去しホルムアルデヒド・クレゾールを消毒のため詰めます。

根幹に開けた孔からホルマリンが漏れ出て歯根膜(歯の根の部分の周囲を形成している膜)に付着することで歯根膜炎と呼ばれる炎症を引き起こす場合があります。

固い食べ物は避けて歯科医師から炎症を抑える薬を処方してもらいます

 

皮膚に付着して、そう痒感、発疹、腫脹などの症状とその対処法

ホルマリンは蒸気としても作用がありますので液体は勿論ですが皮膚に触れると組織中のタンパク質とホルマリンのホルムアルデヒドが化学反応し変質や障害を受けます。

使用時にはホルマリンに触れないように手袋、安全メガネ、マスク等の保護具を身につけることが必要です。

 

ホルマリンに触れてしまった場合は皮膚組織の障害が起こり炎症を引き起こします。

十分な水で石鹸を用いて洗い流して対処します

 

また医療機器や器具の消毒後は残留するホルムアルデヒドを水洗、蒸発、アンモニア水処理で除くことも皮膚への接触を防ぐ意味で重要な対処法です。

 

吸入刺激の症状とその対処法

ホルマリンは蒸気を発生します。

ホルマリン蒸気を肺などに吸い込むことで肺組織のタンパク質にアルデヒド基が化学反応を起こし変質等による組織障害を引き起こします。

使用時にはマスクなどの保護具を着用して吸入を防いでください

 

ホルマリン蒸気を吸い込んだ場合には咳、呼吸困難、肺水腫、化学性肺炎の中毒症状が起こります。

気道閉塞、自発呼吸の抑制、換気量の低下、血液ガスの悪化が認められた場合は気管内に管を挿入し人工呼吸器を用いた人工呼吸や酸素療法で対処されます。

 

ホルマリン蒸気の空気中の濃度と人に対する影響を下表にまとめています。

空気中濃度(ppm) 人への影響
20~ 呼吸器の深部に刺激を感じる
15~ 咳が出る
5.0~ 喉に刺激を感じる
0.81~1.60 ほとんどの人が目に刺激、鼻・喉の乾燥を感じる
0.40~0.80 30%の人が軽い不快感、目に刺激、鼻・喉の乾燥を感じる
0.03~0.05 50%の人が臭気を感じる
0.05~0.13 目に刺激を感じる

 

WHOと厚生労働省の基準では居室中のホルムアルデヒドの基準値は0.08ppm以下とされています。

ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質であるため建築基準法で使用できる建築材料に放出するホルムアルデヒド量に応じた制限が設けられています

 

 

ホルマリン含有液誤飲の症状とその対処法

ホルマリンは生体組織と化学的に反応し変質等で障害を生じさせ炎症を引き起こします。

使用の際には誤飲しないように注意が必要です。

 

誤飲することで急激な腹痛・ショック・蕁麻疹が起こった例や呼吸障害・チアノーゼ・代謝性アシドーシス(血液の病態的な酸性化)、全身浮腫の症例が報告されています。

 

誤飲直後には水やミルクを200mL前後飲ませて飲んだホルマリンを胃内で希釈します

誤飲1~2時間以内では胃洗浄で対処します

 

意識が低下している場合は気管支内に管を挿入して気道を確保したうえで大量の生理食塩水で胃洗浄を行います。

意識のある場合は横向きに寝かせて吸引装置を用いて肺に誤って入らないように大量の生理食塩水で胃洗浄します。

 

胃に孔が開いたみぞおちや背中の痛み、嘔吐が認められれば緊急手術により開腹する場合もあります。

胃洗浄後には活性炭を生理食塩水などと共に胃管で投与します。

活性炭投与後には活性炭を排泄させる点に下剤を投与します。

 

誤飲後に気道閉塞、自発呼吸の抑制、換気量の低下、血液ガスの悪化などの呼吸管理が必要な場合には気管内挿管で人工呼吸器による処置を行います。

 

血圧が低下した場合は輸液やドーパミンの持続静脈内投与で血圧を維持します。

効果が無い場合はさらに薬物療法で対処します。

 

以上のようにホルマリンを誤飲すると大変に危険な状態になりますので使用時と共に誤飲を避けるように保管管理にも注意してください

 

また1%以上のホルムアルデヒドを含む溶液は医薬用外劇物であるため毒物および劇物取締法に基づいて管理しなければなりません。

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粘膜に付着した刺激感の症状とその対処法

ホルマリン溶液は刺激性のある蒸気も発生させます。

そのため目、口、鼻などの粘膜に触れる可能性が高く接触した粘膜組織のタンパク質にホルムアルデヒドが化学反応を起こしタンパク質の凝集、変質、腐食などの障害を生じます。

 

使用時には粘膜を防御する目的で保護メガネ、マスクなどの保護具を身につけることが重要です。

また歯科領域で使用する際に口の粘膜への付着を防ぐためにラバーダムなどの防湿処置を合わせて行うことも効果的です。

 

ホルマリンと接触した粘膜は傷害を受け炎症反応を引き起こします。

大量の水で洗い流すとともに、特に眼に関しては眼科での受診が必要です

口の粘膜に付着した場合は直ちに拭き取り口をゆすいでください

 

消毒後の医療機器、病室、器具、家具等はホルマリンを十分に除去するために水洗、蒸発、アンモニア処理などが粘膜への付着を防ぐためにも注意するべき点です。

 

発癌の症状とその対処法

骨髄性白血病の原因物質として国際がん研究機関(WHO)から報告されています。

米国環境保護庁からは白血病、ホジキンリンパ腫、上咽頭がんの発癌リスクが公表されています。

環境中のホルムアルデヒド基準値が複数の規制で定められています。

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ホルマリンが効くまでの時間

 

ホルマリン1~5%液に消毒対象を浸漬あるいは清拭して消毒する場合は2時間ホルマリン液と接触させることで微生物を殺滅する十分な効果が出ます。

ホルマリン蒸気で燻蒸消毒する場合は7~24時間ホルマリン蒸気を密閉した空間内で暴露させ続けることで消毒されます

 

ホルマリンの効果持続時間や使用間隔

 

ホルマリンは毒性が強いため消毒後に除くための水洗、蒸発を行います。

そのため消毒後すぐに消毒対象が微生物に汚染された場合は感染する危険性が直後に生じます。

消毒のみではなく衛生的な環境を確保することも必要です。

 

ホルマリンが効かない!そんな時の対処法

 

ホルマリンは遮光・密閉して保管しますが適切に保管をしていない場合は消毒薬成分のホルムアルデヒドの分解・蒸発による濃度の低下が起こります。

またホルムアルデヒドはアンモニア、水酸化アルカリ、タンパク質、重金属、ヨウ素などを分解するため、これらの混入があるとホルムアルデヒド濃度が低下します。

 

消毒に必要なホルムアルデヒド濃度より低濃度で消毒すると効果が劣ることがあります。

その場合は新鮮なホルマリンを購入して使用するなどの対応が必要となります

 

またホルマリンで器具などを消毒する場合は器具に付着した血液や油などの汚れを十分に落としてから消毒しないと効果は著しく弱くなりますので消毒前の洗浄にも注意が必要です。

 

ホルマリン消毒は温度が高いほど効果も高くなるため消毒時には18℃以上の温度で消毒することが必要です

また蒸気によるホルマリン燻蒸では湿度が75%以上であることにも消毒効果を保つためには注意してください。

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ホルマリンの使用がおすすめできない人

 

歯科領域で使用する場合はホルマリンを以前に使用してアレルギーやアナフィラキシーの症状を訴えた患者が再度使用するとアレルギー性のショック症状が出る場合があるので使用が禁じられています。

 

 

また歯の根の部分に炎症が認められる患者は症状を悪化させる危険があるため使用の有益性を判断し慎重に注意して使用しなければなりません。

 

ホルマリンとエタノールを比較

 

消毒薬は多種多様な病原微生物の死滅作用を示しますが人体への毒性も強い高水準消毒薬と人体への損傷の危険性は少ないけれど一般的な細菌にしか効果のない低水準消毒薬、さらに高水準と低水準の中間の中水準消毒薬があります。

 

下表に代表的な消毒薬と対象となる微生物および消毒対象をまとめています。

ホルマリンは高水準消毒薬でエタノールは中水準消毒薬です。

区分 消毒薬 対象微生物 消毒対象
芽胞 結核菌 ウイルス 糸状真菌 一般細菌 器具 皮膚/粘膜
高水準 グルタラール、ホルマリン、過酢酸
中水準 次亜塩素酸ナトリウム
ポピドンヨード
ヨードチンキ ◎/✖
消毒用エタノール ▲-● ◎/✖
フェノール、クレゾール石鹸液 ✖-▲
低水準 第四級アンモニウム塩 ✖-▲
クロルヘキシジングルコン酸塩 ✖-▲ ◎/✖

●;有効、◐;1000ppm以上の高濃度で有効、◎;使用可能、〇;非金属のみ使用可能、▲;十分な効果が得られない場合がある、△;注意して使用、✖;無効あるいは使用不可

 

 

ホルマリンとエタノールの違い

高水準消毒薬であるホルマリンは芽胞も含めた全ての微生物に対して有効ですが人体への毒性も強いため器具の消毒には使用できますが皮膚や粘膜には使用できません

中水準消毒薬のエタノールは芽胞やウイルスに対する効果は弱いのですが器具以外に皮膚の消毒にも用いることが出来ます

 

ホルマリンとエタノールの適用を下表にまとめています。

消毒薬 適用
ホルマリン 医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒、歯科領域における感染根管の消毒
エタノール 手指・皮膚の消毒、手術部位の皮膚の消毒、医療機器の消毒

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ホルマリンの用法・用量

 

医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

消毒する対象によって以下の使用方法で消毒します。

 

・ホルムアルデヒド1~5%溶液に消毒対象を浸漬あるいは清拭し2時間以上放置して消毒します

 

・機密容器中あるいは密閉環境内で容積1m3に対してホルマリン15mL(ホルムアルデヒドとして6g)を水40mL以上と共に噴霧あるいは蒸発させ7~24時間以上放置して消毒します

蒸発を速めるためにホルマリン15mL以上を5~10%に希釈して加熱沸騰させる方法やホルマリン15mL以上に水40mL以上あるいは過マンガン酸カリウム18~20gを加える方法などがあります。

 

歯科領域における感染根管の消毒

ホルマリンの原液にクレゾールを添加して使用します。

感染根管治療には歯髄を除去しホルマリン・クレゾール液を綿の小球やペーパーポイントに吸い込ませて根管に開けた孔に挿入後に仮封し数日間保持した状態で消毒します

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ホルマリンの使用上の注意

 

ホルマリンは他の物質と化学的に反応しやすい性質を持っていますので使用上の注意が必要です。

特に金属に対して強い還元作用(電子を与えてイオン状態の金属を金属元素に変化させる反応)を有しています

 

金属

金(Au)、銀(Ag)、水銀(Hg)、銅(Cu)の塩(えん;陽イオンとして他の陰イオン元素や分子と結合している状態)を還元して金属に変化させます。

またこれら重金属自体を分解しますのでホルマリンと配合することは禁じられています。

 

タンパク質

ホルマリンのホルムアルデヒドによってタンパク質の構成分子のアミノ酸にアルデヒドが反応し物質変化や分解をします。

人体への毒性に繋がりますので配合しての使用は禁じられています

 

保存温度

長く保存する際に寒冷時にはホルマリンからパラホルムアルデヒドが生じて白く混濁することがあるので60~70℃の温湯で少時間温めて透明な液体に戻してください。

その際に温度が高い中で開封すると刺激性の蒸気も発生するので注意が必要です。

 

お薬画像

薬剤師 まとめ

今回の内容は医薬品の添付文書・インタビューフォーム、丸石製薬株式会社ホームページhttp://www.maruishi-pharm.co.jp/med/care/data/k003/index.html、「今日の治療薬2017」、厚生労働省「化学物質による労働者の健康障害防止に関する意見交換会 平成21年12月11日」を参考にしています。ホルマリンについて下表にまとめています。

商品名 ホルマリン「ケンエー/コザカイ/ヤマゼン/タイセイ/ニッコー」、「純正」ホルマリン、ホルマリン「タツミ」M
主成分 ホルムアルデヒド
薬理作用 ホルムアルデヒドが微生物や毒素のタンパク質に化学反応することにより生存に必須な分子や毒素分子の機能を低下させ芽胞、結核菌、ウイルス、糸状真菌、一般細菌に消毒作用を示す
適用 医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒、感染根管の消毒
用法用量 ・1~5%ホルムアルデヒド溶液に2時間以上、浸漬・清拭

・密閉環境内で蒸気による7~24時間のホルマリン燻蒸

・歯科領域で感染した根幹に綿等に浸み込ませ挿入し数日間仮封

副作用 いずれも歯科領域において *不適切な取り扱いにおいて別症状あり

〇重大な副作用;アレルギー、アナフィラキシー(蕁麻疹、搔痒、呼吸困難、血圧低下など)

〇その他の副作用;歯根膜炎

 

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