細菌に感染して発熱や咳、炎症が起きた時に使用されるアベロックスの効果と副作用を詳しく解説します。

また服用をオススメできない人や飲み合わせについても解説していきます!

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日高 吉明

九州保健福祉大学薬学部

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目次 必要な場所から読んでください

アベロックスとは?

 

アベロックスは、ニューキノロン系抗菌剤と呼ばれる種類の感染症治療薬(いわゆる抗生物質)です

主成分としてモキシフロキサシン塩酸塩を400 mg含有しています。

 

ドイツで開発された薬で、グラム陽性菌という細菌のタイプに対する効果が高く、咽頭、扁桃腺、気管支、肺などの呼吸器組織への移行に優れています

 

そのため、有効性の高い呼吸器感染症の治療薬として世界127ヶ国で使用されています。

 

アベロックスはこんな時に服用します

アベロックスは、細菌に感染して発熱や咳、炎症が起きた時に使用します

日本では、咽頭炎、扁桃炎、急性気管支炎などの呼吸器の感染症と皮膚の感染症の治療に使われています。

 

アベロックスの種類・形状・サイズについて

アベロックスには、次の種類が発売されています。

形状、サイズは表の通りです。

 

◎アベロックス錠® 400 mg (錠剤:内服薬)

販売名 アベロックス錠® 400 mg
有効成分 モキシフロキサシン塩酸塩
成分含量 1錠中400 mg
形状 割線入りフィルムコーティング錠
淡灰色
大きさ 長径:17 mm

短径:7 mm

厚さ:5.7 mm

質量 699.8 mg
識別コード M400

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アベロックスの効果・効能

 

アベロックスには以下の効能・効果があります。

 

咽頭炎・喉頭炎・気管支炎への効果

アベロックスの有効成分である『モキシフロキサシン』は、咽頭炎・喉頭炎・気管支炎の原因となる細菌に対して殺菌的に作用することが分かっています。

これは、細菌が生きていく上で必要な酵素を阻害するためと考えられています。

 

そのため、咽頭炎・喉頭炎・気管支炎に対して、改善効果を示します

 

国内の臨床試験では、これらの感染症に対してアベロックスを使用した臨床試験では、「著効(効果絶大)」と「有効(効果大)」は、服用した患者の9割以上でみられたとのことです。

有効率が90%以上ですので、非常に効果が高いことが分かります。

 

肺炎(肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ、肺炎クラミジア、肺炎マイコプラズマなど)への効果

アベロックスの有効成分である『モキシフロキサシン』は、肺炎の原因となる細菌・微生物(肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ、肺炎クラミジア、肺炎マイコプラズマなど)に対しても殺菌的に作用することが分かっています。

 

そのため、これらの細菌・微生物が原因の肺炎に対して改善効果を示します。

 

日本国内では、これらの細菌・微生物が肺炎の原因の大半を占めますので、肺炎に対する臨床試験の有効率は95.1%とかなり高いものとなっています。

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薬剤師 まとめ

『インフルエンザ菌』は、インフルエンザの原因となる『インフルエンザウイルス』と名前が似ていますが、全く別のものです。1800年代にインフルエンザの大流行した際に、原因細菌ではないかと見つかったものです。そのためインフルエンザ菌という名前になりました。1900年代になって関係が否定されましたが、名称は変わらなかったため、このような紛らわしい形となっています。アベロックスはインフルエンザ菌(細菌)には殺菌効果がありますが、インフルエンザウイルス(ウイルス)には効きませんので、インフルエンザにかかった時にアベロックスを飲んでも効果は期待できません。

 

慢性呼吸病変の二次感染への効果

慢性気管支炎や気管支拡張症、肺気腫などの疾患は、症状が慢性化(長期化)しますので、慢性呼吸病変と分類されます。

 

そして、これらの慢性呼吸病変により感染症にかかりやすくなります。

その感染を『二次感染』と呼びます。

 

二次感染の原因となる細菌・微生物に対しても、モキシフロキサシンが殺菌的効果を示します。

日本における複数の臨床試験の結果では、アベロックスの服用により80~100%の有効率が得られています。

 

副鼻腔炎への効果

アベロックスは、急性副鼻腔炎の原因となる細菌にも効果を示します。

日本国内での臨床試験は行われていませんが、海外での試験を総合すると有効率は87%ですので、かなり高い確率で急性副鼻腔炎にも効果があることが分かります。

 

 

皮膚感染症への効果

アベロックスは、アクネ菌など表在性皮膚感染症や深在性皮膚感染症の原因となる細菌にも効果を示します。

日本国内の臨床試験では、これらの皮膚感染症に対してアベロックスは、77~81%の有効性が得られています。

 

ただ、皮膚感染症に関しては他にも効果の高い薬剤があるようですので、アベロックスを第一選択薬(最初に使う薬)として使用することは避けるように製薬メーカーから指示が出されています。

 

つまり、皮膚感染症では、他の感染症治療薬が効かなかった場合に、アベロックスを使う形です。

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アベロックスの副作用

 

アベロックスの副作用一覧

これまでに報告されている、アベロックスの服用による副作用は以下の通りです。

 

主な副作用
種類 1~10%

未満

0.1~1%未

0.01~0.1%

未満

0.01%

未満

頻度不明
過敏症 アレルギー反応、発疹、蕁麻疹
精神神経系 頭痛、浮動性めまい 錯感覚、睡眠障害、振戦、傾眠、不安、精神運動亢進 感覚鈍麻、異常な夢、強調運動障害、注意力障害、健忘、情緒不安定、うつ病 離人症、精神病性反応、知覚過敏 多発ニューロパシー
循環器 動悸、不整脈 心室性頻脈性不整脈、高血圧、低血圧、血管拡張 心停止

(基礎疾患として重度の不整脈を有する患者)

頻脈
消化器 悪心、嘔吐、腹痛、下痢 食欲不振、便秘、消化不良、鼓腸、胃腸炎 嚥下障害 口渇、口内炎
肝臓 ALT上昇、AST上昇 ビリルビン上昇、-GTP上昇、Al-P上昇
腎臓 脱水 腎機能障害
血液 貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少、血小板増加、好酸球増加 APTT延長、INR増加 INR減少
感覚器 回転性めまい、味覚障害、視覚障害 臭覚障害、耳鳴 一時的な視力喪失、聴覚障害
その他 カンジダ症 発汗、掻痒、無力症、疼痛、アミラーゼ上昇、高脂血症、関節痛、筋痛、呼吸困難 高血糖、高尿酸血症、末梢性浮腫、筋痙攣 関節炎、歩行障害 筋力低下

 

重大な副作用
病名 主な自覚症状、初期症状
ショック(0.01%未満)
アナフィラキシー様症状(0.1%未満)
血圧低下、じんましん、喉頭浮腫(のどがつまる)、顔面浮腫(顔が腫れてむくむ)、呼吸困難(息苦しさ)、血管浮腫(血管が浮き出る)、蕁麻疹、意識消失
心室性頻拍(0.01%未満)

QT延長(1%未満)

動悸、頻脈(心臓の動きが早くなる、ドキドキする)
偽膜性大腸炎(0.1%未満) 血便、腹痛、何度も起きる下痢
腱炎(0.1%未満)

腱断裂(0.01%未満)などの腱障害

腱の痛みや腫れ(炎症)
痙攣(0.1%未満) けいれん
錯乱(1%未満)

幻覚(0.1%未満)などの精神症状

考えが入り乱れて混乱する状態、幻覚
失神、意識消失錯乱 失神、意識を失う、意識がもうろうとする
中毒性表皮壊死融解症
(Toxic Epidermal Necrolysis) (頻度不明)
高熱(39℃以上)、目の充血、唇のただれ、のどの痛み、皮膚が広範囲で赤くなるといった症状が持続したり、急激に悪化したりする
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.01%未満) 高熱(38℃以上)、目の充血、まぶたの腫れ、目が開けづらい、唇や陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、のどの痛み、皮膚が広範囲で赤くなるといった症状が持続したり、急激に悪化したりする
劇症肝炎(頻度不明)

肝炎(0.1%未満)

肝機能障害(1%未満)

黄疸(0.1%未満)

肝機能検査値異常(AST、ALTなど)、黄疸(皮膚や眼が黄色くなる)
低血糖(頻度不明)

(糖尿病患者、高齢者で起こりやすい)

発汗、手の震え、空腹感、脱力感、意識消失
重症筋無力症の悪化(頻度不明) 重症筋無力症の患者で、症状の悪化

 

重大な副作用の対処法

重大な副作用は、いずれも頻度はかなり低いのですが、発生すると命にかかわる可能性があるものです。

上記の表にある症状が起きたら、基本的には以降のアベロックスの服用を中止し、すぐに主治医に連絡してください。

 

 

以下にそれぞれの具体的な対応について説明します。

 

アナフィラキシーショックとその対処法

アナフィラキシーショックはアレルギー反応の一つですので、頻度はかなり低いのですが、どの薬を飲んでも起こる可能性はあります。

薬を飲んでから30分~1時間程度経ってから起こることが多いようです

 

意識がなくなったり、息が苦しくなったりした場合には、すぐに近くの医療機関を受診するか、近くにない場合には救急車を呼んでください

 

あお向けに寝て、足を高くすると楽になることが多いようです。

嘔吐がある場合には、のどに詰まらせないように横を向くと良いでしょう。

 

不整脈とその対処法

アベロックスの副作用としての不整脈は、頻拍(突然脈拍が早くなる)やQT延長です。

QT延長は、心電図検査を行わないとわかりませんので、胸がドキドキする感じや失神することがあった場合には、主治医に伝えて心電図の検査を行ってもらいましょう。

 

これらの症状が出た場合には、アベロックスの服用を一旦止めて、主治医に連絡してください。

 

偽膜性大腸炎とその対処法

偽膜性大腸炎は、血便を伴う重篤な大腸炎の一つです。

腹痛が続く場合や下痢が繰り返し起こる場合には、服用を中止して、主治医に連絡してください。

 

腱障害とその対処法

ごくまれにですが、腱の炎症や腱がもろくなる症状が起こるようです。

アキレス腱などの足の腱や、腕や手首の腱が炎症を起こしたり、痛んだりする場合には、服用を中止して、主治医に連絡してください。

 

痙攣・幻覚・錯乱・失神とその対処法

まれにですが、痙攣・幻覚・錯乱・失神などの精神症状が出る場合があります。

これらの症状が出た場合には、安静にして回復を待ってください。

 

横になると楽になることが多いようです。

そして、回復したら主治医に連絡してください。

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中毒性表皮壊死融解症・皮膚粘膜眼症候群とその対処法

中毒性表皮壊死融解症・皮膚粘膜眼症候群と名前は難しいですが、これらは薬に対するアレルギー反応の一つです。

頻度はかなり低いのですが、薬を飲む以上、どの薬でも誰でも起こる可能性はあります。

 

ただ、重篤化すると命にかかわる副作用ですが、早めに気付いて服用を中止すれば、命にかかわることもなく、回復が早いことが分かっています。

ですので、上の表にある初期症状が出た場合には、すぐに服用を止めて、医師に連絡してください。

 

肝機能障害とその対処法

アベロックスなどの薬の成分が体内に取り込むと、身体は薬を「異物」と判断し、外に出そうとします。

その一つの方法として、「肝臓で代謝して出す」があります。

 

そのため、薬を飲むことにより、多少なりとも肝臓に負担をかけることになります。

ですので、元々の肝臓機能や体調によっては、肝臓が弱ってしまうことがあります。

この状態が肝機能障害です。

 

アベロックスは、服用する期間が短いので、ほとんど問題となることがありませんが、黄疸の症状が出た場合には、早急な対応が必要ですので、皮膚や白眼の部分が黄色くなった場合にはすぐに近くの医療機関を受診してください。

 

低血糖とその対処法

低血糖とは、血液の中の糖分が少なくなって、様々な身体症状が出る状態です。

意識を失うこともありますし、意識を失ったまま時間が経つと命にかかわることもあります。

 

発汗、手の震え、空腹感、脱力感などが初期症状として起こってきます。

これらの症状は、ブドウ糖などの糖分を補給することで改善します。

 

このような症状が起こった場合には、ジュースを飲んで糖分を補給しましょう

もちろん、ブドウ糖を直接舐めるのも効果的です。

 

糖尿病の方や高齢者に起こりやすいという報告がありますので、該当する方はブドウ糖を常に持っておくなど対策をしておくと良いでしょう。

 

低体重の患者に対する処置

国内の臨床試験で、体重の軽い患者において副作用の発現率が高くなる傾向がみられています。

そのため、体重が40 kgを下回る方では、半分量(200 mg)から使用することが推奨されています。

 

体重が40 kg以下の方は、診察の際にその旨を主治医にお伝えください。

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アベロックスの用量用法・服用方法

 

アベロックスの正しい飲み方や服用回数

アベロックス錠は、成人では1日1回服用します。

通常は、錠剤1錠を1回に飲みます。

 

体重が40 kg以下の場合には、1回半錠(200 mg)を服用します。

 

また、対象疾患によって服用できる期間が以下の通り定められています。

対象疾患 服用期間
咽頭・喉頭炎・急性気管支炎

慢性呼吸器病変の二次感染

皮膚科領域感染症

7日以内
肺炎、副鼻腔炎 10日以内

 

アベロックスの(子供・妊婦や授乳中、高齢者)服用方法

アベロックスは、子供への安全性が確認できていませんので、15歳未満の子供は服用することができません

 

また、妊婦に対しても同様に安全性が確認できていませんので、妊娠している方は服用することができません。

ですので、妊娠していることを主治医か薬剤師に伝えてください。

そうすれば妊娠中でも使える抗菌薬を選んでくれます。

 

有効成分のモキシフロキサシンが母乳に移行する可能性があることが分かっていますので、授乳中の方も服用しない方が良いでしょう。

ただ、他に効果が高い薬がない場合には使っても構いません。

その場合は、しばらくの間授乳は控えてください。

 

高齢者は、効果や副作用にほとんど差がないようですので、そのまま服用しても構いません。

ただ、高齢者で体重が40 kg未満の方は、副作用の発現率が高くなるようですので、半分量(200 mg)から開始することになるでしょう。

この判断は主治医が行いますので、主治医にお任せしておけば大丈夫です。

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アベロックスが効くまでの時間

 

有効成分であるモキシフロキサシンを内服した後には、速やかに血液中に吸収されることが分かっています。

「血液中モキシフロキサシン濃度の変化」のデータによると、最高濃度に達するのが平均で1.75時間となっています。

モキシフロキサシンは、血液を介して呼吸器や皮膚に運ばれて殺菌的効果を発揮します。

 

以上より、アベロックス錠を飲んでから2時間程度で、感染症を起こしている細菌・微生物に効き始めると考えられます。

この効果が出て、細菌・微生物が死んでいくと、症状が改善していきます。

 

細菌・微生物に作用を始めてから、感染症の症状が改善するまでの時間は、症状や細菌・微生物の種類、数の影響を受けますので、アベロックス錠を飲み始めた翌日から改善効果を感じる方もいますし、数日かかる方もいるということになります。

 

アベロックスの効果持続時間や服用間隔

 

有効成分であるモキシフロキサシンの血中濃度半減期(濃度が半分になるまでの時間)は、約14時間となっています。

半減期が14時間あると、薬の成分が身体の中に残っている時間が長いため、効果は24時間以上持続します。

 

そのため、1日1回の服用で効果が期待できる薬です。

実際、日本国内で行われた臨床試験でも、1日1回の服用で高い臨床効果が示されています。

 

服用間隔は24時間毎で、朝食後や寝る前など1日1回決まった時間に服用します。

医師の指示がある場合には、その通りに服用してください。

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アベロックスが効かない!そんな時の対処法

 

アベロックスを飲んでも効かない場合には、次の2種類のケースが考えられます。

 

モキシフロキサシンの適応外の細菌・微生物、ウイルスが感染症を起こしているケース

アベロックスの有効成分である『モキシフロキサシン』は、多くの細菌・微生物に殺菌効果がありますが、残念ながら全ての細菌・微生物に効果があるわけではありません。

 

そのような細菌・微生物が感染している場合には、アベロックスを服用しても効かないということになります。

 

呼吸器に感染する細菌・微生物は、殺菌効果がある種類がほとんどですので、臨床試験でも95~100%といった有効率が得られています。

 

一方、皮膚の感染症については、臨床試験での有効率が76~81%ですので、皮膚に感染する細菌の中には、モキシフロキサシンが効かない種類がある程度存在することがわかります。

 

また、モキシフロキサシンは、ウイルスに対しては効果が期待できません。

そのため、風邪症候群(いわゆる風邪)やインフルエンザなど、ウイルスが原因の感染症には全く効果を示しません。

 

ですので、細菌が原因の呼吸器感染症だと思って使っても、ウイルスが原因の場合には「アベロックスが効かない」となってしまいます。

 

ですので、数日間アベロックスを服用しても症状が改善しない場合には、薬を変更する必要があります。

医師に症状が改善しないことを伝えて、薬を変更してもらいましょう。

 

薬剤師からのワンポイントアドバイス

このようなケースは、患者さんが自分の判断でアベロックスを飲む場合に起こりますので、そのようなことはお控えください。感染症専門の医師が診察すると細菌、微生物かウイルスのどれかが原因か区別できますので、このようなことはほとんど起こりません。ですので、以前にもらったアベロックス錠が残っていて、似たような症状だから飲んでも良いだろうと自己判断でアベロックスを飲むのは避けるようにしてください。

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モキシフロキサシンに耐性をもった細菌・微生物が感染症を起こしているケース

「耐性菌」という言葉を聞いたことがある方もいることでしょう。

この耐性というのは、モキシフロキサシンのような抗生物質が効きにくくなった状態のことです。

 

抗生物質は細菌や微生物を殺す薬ですので、「適切な量」を「適切な期間」用いることで十分な効果を発揮します。

適切に用いると、細菌や微生物が全滅します。

 

ただ、例えば全滅する前の中途半端な段階で抗生物質を止めてしまうと、生き残っている細菌が薬に慣れてしまい、薬が効きにくくなります。

これを「耐性」を獲得したといい、薬が効きにくくなった細菌のことを「耐性菌」と呼びます。

 

以前は呼吸器感染症にアベロックスが効いていたのに、近頃は効きにくくなったという場合には、耐性菌が出来てしまった可能性があります。

 

耐性菌に対しては効果が期待できませんので、数日間アベロックスを服用しても症状が改善しない場合には、薬を変更する必要があります。

医師に症状が改善しないことを伝えて、薬を変更してもらいましょう。

 

薬剤師からのワンポイントアドバイス

耐性菌ができるのは、細菌が全滅する前の中途半端な段階で飲むこと、使うことを止めてしまった場合が多いとされています。細菌が減ると感染症の症状が和らいで治ったと感じると思いますが、細菌が全滅するまで抗生物質を飲み続ける必要があります。症状が治まったからといって、途中で抗生物質を止めてしまうことは、「耐性」ができる大きな原因であることをご理解ください。ですので、処方された抗生物質は用法・用量を守り、きちんと最後まで飲み切るようにしてください。

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アベロックスの服用がお勧めできない人

 

モキシフロキサシン又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者

アベロックスを服用して過敏症(アレルギー)を起こしたことがある方や他のキノロン系と呼ばれる抗生物質を飲んで過敏症を起こしたことがある方は、再度アレルギーが起こる可能性が高いので、服用できないこと(禁忌)になっています。

 

過敏症としては、発疹、皮膚のかゆみ、血管浮腫、薬剤性過敏症症候群、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があります。

 

薬を飲んで過敏症を起こしたことがある方は、医師もしくは薬剤師に、予め「その薬の名称」と「過敏症の症状」を伝えてください。

 

重度の肝障害のある患者

重度の肝障害がある方では、アベロックスの副作用が出やすくなる可能性、強く出る可能性があります。

 

つまり安全性が確認できていませんので、重度の肝障害がある方は、アベロックスの服用ができないこと(禁忌)になっています。

 

 QT延長のある患者

心臓の病気である、先天性QT延長症候群などのQT延長のある方は、心臓関係の副作用が出やすくなる可能性があります。

 

そのため、QT延長のある方は、アベロックスの服用ができないこと(禁忌)になっています。

 

 

 

低カリウム血症のある患者

血液中のカリウム値が下がる低カリウム血症の方では、心臓関係の副作用が出やすくなる可能性があります。

 

そのため、アベロックスの服用ができないこと(禁忌)になっています。

  

クラスⅠA又はクラスⅢの抗不整脈薬を投与中の患者

クラスⅠA又はクラスⅢに分類される抗不整脈薬を服用している方は、心臓関係の副作用が出やすくなる可能性があります。

そのため、アベロックスの服用ができないこと(禁忌)になっています。

 

クラスⅠA又はクラスⅢに分類される抗不整脈薬は、以下の通りです。

分類 主な抗不整脈薬 商品名
クラスⅠA ジソピラミド

シベンゾリンコハク酸塩

リスモダン など

シベノール など

クラスⅢ アミオダロン塩酸塩

ソタロール塩酸塩

ニフェカラント塩酸塩

アンカロン など

ソタコール

シンビット

 

妊娠中・授乳中の婦人

アベロックスの有効成分のモキシフロキサシンは、妊婦に対して安全性が確認できていません。

ヒトではDataがありませんので問題ないと言えませんし、サルでは流産する可能性が指摘されています。

そのため、妊娠している方は服用ができないこと(禁忌)になっています

 

妊娠している方は、妊娠していること、そして妊娠何週目かを主治医か薬剤師に伝えてください。

そうすれば妊娠中でも使える抗菌薬を選んでくれるはずです。

 

また、有効成分のモキシフロキサシンが母乳に移行する可能性があることが分かっていますので、授乳中の方は服用がお勧めできません。

ただ、他に効果が高い薬がない場合には使うことができます。

その場合は、しばらくの間授乳は控えてください。

 

乳児・小児

アベロックスは、乳児・小児への安全性が確認できていませんので、15歳未満の子供は服用してはいけないこと(禁忌)になっています。

 

乳児・子供にも使える抗生物質を使って治療する必要がありますので、医師の指示に従ってください。

 

てんかん患者

アベロックスの有効成分のモキシフロキサシンは、中枢神経系を興奮させることがあります。

てんかん患者では、モキシフロキサシンにより中枢が興奮すると痙攣を起こす可能性がありますので、慎重に服用する必要があります。

 

高齢者

高齢者は、効果や副作用にほとんど差がないようですので、そのまま服用しても構いません。

ただ、高齢者で体重が40 kg未満の方は、副作用の発現率が高くなるようですので、半分量(200 mg)から開始することが推奨されています。

 

重症筋無力症患者

重症筋無力症患者では、アベロックスを服用することにより症状の悪化が起こることが知られています。

服用がお勧めできない訳ではありませんが、十分に重症筋無力症の症状を観察しながら服用する必要があります。

 

重症筋無力症の治療を行っている主治医の判断に従うと良いでしょう。

 

アベロックスと他の抗生物質薬を比較

アベロックスは、ニューキノロン系に分類される抗生物質です。

抗生物質はいくつかの分類があり、その分類ごとに効果を発揮する対象微生物が異なります

そのため、対象の感染症も変わってくることになります。

 

他の分類の抗生物質とは、効能・効果が違ってきますので、今回は同じニューキノロン系の中で5種類を選び、それぞれの特徴をまとめました。

 

ニューキノロン系抗生物質の特徴まとめ

商品名 有効成分 発売年 特徴
アベロックス錠 モキシフロキサシン塩酸塩 2005年 ・呼吸器感染症において、1日1回投与で高い臨床効果を発揮する

・自然耐性菌出現頻度が低い

・腎機能低下患者にも使い易い

・服用中は、意識消失、めまいが出ることがあるため、車の運転を控える必要がある

ジェニナック錠 ガレノキサシン 2007年 ・呼吸器・耳鼻咽喉科領域感染症に1日1回投与で優れた臨床効果を示す

・多剤耐性肺炎球菌にも優れた抗菌活性を示す

・服用中は、意識障害が出ることがあるため、車の運転に注意する必要がある

グレースビット錠

グレースビット散

シタフロキサシン

水和物

2008年 ・呼吸器感染症、耳鼻咽喉科領域感染症、尿路感染症、性感染症、歯科・口腔外科領域感染症に適応がある

・1日1回および2回投与が可能

・肺炎球菌及び大腸菌において、耐性化の影響を受けにくい

・副作用の発現頻度は他剤より高い

クラビット錠

クラビット散

レボフロキサシン 1993年 ・長期間使用されており、使用経験が多いため、信頼性が高い

・腸チフス、肺結核など他剤がもっていない適応症がある

・腎機能低下患者では投与量を減らす必要がある

オゼックス錠

オゼックス小児用細粒

トスフロキサシン 1990年 ・小児に使用できる(小児用細粒)

・小児肺炎及び小児中耳炎治療において効果が期待できる

 

2000年代に発売されたアベロックス、ジェニナック、グレースビットは、呼吸器組織へ分布しやすいため、呼吸器疾患において高い有効率を示します。

 

 

なお、クラビットも高用量を使う場合は、同様です。

有効率は、いずれの薬剤でも高いため、腎機能が正常の方ではどの薬剤を使っても大差ないと考えられます

 

耐性菌を出さない為には、同じ薬剤を使い続けないことが重要ですので、これらの薬剤を交互に(ローテーションで)使うことで、耐性菌の出現を抑えることが可能になります。

 

また、アベロックスは、その効果・副作用が腎機能の影響を受けにくいと考えられるDataがありますので、腎機能低下患者ではアベロックスが使い易いようです。

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アベロックスの飲み合わせに注意!

 

抗不整脈薬との服用に注意

※併用禁忌:一緒に服用してはいけません

 

クラスⅠA又はクラスⅢに分類される抗不整脈薬は、QT延長作用があることが知られています。

アベロックスの服用によってもQT延長が出ることがあり、それらが重なると重篤な心臓関係の副作用が出る可能性があります。

 

そのため、アベロックスとクラスⅠA又はクラスⅢに分類される抗不整脈薬は一緒に服用できないことになっています。

 

クラスⅠA又はクラスⅢに分類される抗不整脈薬は、アベロックスの服用がお勧めできない人でまとめていますのでそちらをご覧ください。

 

低カリウム血症を起こしやすい薬との服用に注意

※併用注意

 

併用注意とは、一緒に飲むと効果や副作用が強く出る可能性があるため、十分に服用後の様子を確認しながら使う必要がある飲み合わせのことです。

 

チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジドなど)、ループ系利尿剤(フロセミドなど)、糖質副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロンなど)、グリチルリチン製剤(グリチルリチン酸など)は、低カリウム血症を起こしやすい薬剤です。

 

低カリウム血症の患者では、アベロックスの心臓関係の副作用が出やすくなりますので、併用注意となっています。

 

QT延長を起こす可能性がある薬剤との服用に注意

※併用注意

 

エリスロマイシン、フェノチアジン系もしくはブチロフェノン系の抗精神病薬(クロルプロマジン、ハロペリドールなど)、三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど)は、抗不整脈薬に比べると弱いのですが、QT延長作用があることが分かっています。

 

アベロックスの服用によってもQT延長が出ることがあり、それらが重なると重篤な心臓関係の副作用が出る可能性があります。

そのため、これらの薬とアベロックスは併用注意になっています。

 

アルミニウム・マグネシウムを多く含む胃腸薬、鉄剤との服用に注意

※併用注意

 

アルミニウムやマグネシウム、鉄はアベロックスの有効成分と固まりを作って、吸収を低下させることが知られています。

その結果、血中濃度が低下し、効果が出にくくなることが考えられます。

 

そのため、アベロックスとアルミニウム・マグネシウムを多く含む胃腸薬、鉄剤を併用する場合には、同時に服用することは避ける必要があります。

 

アベロックスの服用から、2時間以上経過したら、アルミニウム・マグネシウムを多く含む胃腸薬もしくは鉄剤を服用しても構いません。

 

ワルファリンとの服用に注意

※併用注意

 

アベロックスとの併用で、ワルファリンの作用が増強する可能性が指摘されています。

そのため、アベロックスとワルファリンは併用注意となっています。

 

併用する場合には、ワルファリンの効果が出過ぎていないか適切なタイミングで確認しながら服用すれば問題ないと考えられます。

 

ロキソニン、ロキソプロフェン、カロナール、ボルタレンなど解熱鎮痛剤との服用に注意

※併用注意

 

これらの薬とアベロックスの併用で、痙攣を起こす可能性が指摘されています。

そのため、これらの薬とアベロックスは併用注意となっています。

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アベロックスは市販で手に入る?

 

残念ながら、アベロックスは市販では手に入りません

そもそも抗生物質の内服薬は、市販薬として発売されていません

抗生物質は適切に使用しないと、耐性菌が出現するためです。

 

いろいろな薬に対して耐性を持った細菌が出てしまうと、命にかかわるような感染症でも治療できなくなってしまいます。

そのため、抗生物質は医師や歯科医師が必要だと判断した時にのみ使えるようになっています。

 

アベロックスの添付文書について

 

アベロックス錠の詳しい情報は、医療従事者が使用する「添付文書」というものに記載されています。

添付文書は、どの薬でも「医薬品医療機器総合機構」のHP (https://www.pmda.go.jp/index.html) から検索することができます。

 

興味がある方は、そちらでご確認ください。

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アベロックスのQ&A

 

 

Q&A

何歳から服用してもいいのですか?

アベロックス錠は、15歳(添付文書上の表現は成人)から服用することができます。

15歳未満の方には医師が処方しないので、医師の指示に従っていれば問題ありません。

妊娠中や授乳中の体への影響や、母乳移行による子供への影響が心配されますが飲んでも大丈夫ですか?

アベロックスの有効成分のモキシフロキサシンは、妊婦に対して安全性が確認できていません。

ヒトではDataがありませんので問題ないと言えませんし、サルでは流産する可能性が指摘されています。そのため、妊娠している方は服用ができないこと(禁忌)になっています。

また、有効成分のモキシフロキサシンが母乳に移行する可能性があることが分かっていますので、授乳中の方は服用がお勧めできません。ただ、他に効果が高い薬がない場合には使うことができます。

その場合は、しばらくの間授乳は控えてください。

アベロックスは市販薬として取り扱いがありますか?

残念ながら、市販薬で同じ成分のものはありません。

処方薬でしか手に入りませんので、医療機関を受診して、医師に処方してもらう必要があります。

アベロックスのジェネリック医薬品はありますか?

2017年現在では、ジェネリック医薬品は発売されていません。

そして現時点では、いつ発売されるか分からない状況です。

アベロックスは年齢や体重によって服用量に差がありますか?

40kg未満の方では、半分量(200 mg)を服用することが推奨されています。

アベロックスを飲んで車の運転をしても問題ありませんか?

アベロックスにより、失神、意識消失、めまいなどが出る可能性がありますので、服用している間は車の運転は避ける必要があります。

その他の危険を伴う機械の操作も控える必要があります。

アベロックスと一緒に飲み合わせてはいけない薬はありますか?

一緒に飲んではいけない薬、そして飲み合わせに注意が必要な薬はいくつかあります。

これらの飲み合わせの注意点については、「アベロックスの飲み合わせに注意!」をご覧ください。

アベロックスを飲むときは、お酒は控えた方がいいですか?

アベロックス自体の効き目や副作用の発現にお酒が影響するとのDataはありませんので、特に問題はないと考えられます。

ただ、飲酒量によっては、感染症からの体力の回復に影響する可能性がありますので、大量の飲酒は控えた方が良いでしょう。

アベロックスを服用後、発疹ができました。(デリケート部分、股間や脇下など)これは副作用症状でしょうか?使用を中止した方がいいですか?

アベロックスの副作用として、発疹(0.1~1%未満)が報告されています。

ですので、普段できない場所に発疹が出た場合には、副作用を疑い一旦服用を中止しましょう。そして主治医か薬剤師に連絡してください。

副鼻腔炎を発症した場合、アベロックスとクラリスロマイシンのどちらが効果がありますか?

副鼻腔炎(急性)に対する臨床試験の結果では、有効率に差はほとんどありませんので、効果は同程度だと考えられます。

ただ、慢性副鼻腔炎に対しては、クラリスロマイシンが有効であるとされています。そのため、長期間続く副鼻腔炎では、クラリスロマイシンの方が高い効果を示すといえます。

アベロックスをニキビ治療薬として定期的に処方してもらっていますが、ある程度の内服により耐性菌などは出てくるのではないかと心配ですが。

アベロックスは、耐性菌は出にくいとされていますが、使い続けると耐性菌が出ることは容易に予想できます。

そのため、皮膚科領域で使用する場合には、原則として7日以内の服用とするようになっています。ニキビ治療薬として使用できる抗生物質は複数種類ありますので、7日服用したら他の薬に変えるのが重要です。

アベロックス400を処方されました。病院からの処方は1日2回と書かれていますが、薬のパッケージには1日1回服用と書かれています。どちらが正しいですか?

通常は、薬のパッケージ(シートの裏面)に書いてあるように、1日1回の服用で十分効果を発揮します。

国内の臨床試験も1日1回の服用で行われ、有効性を確認していますので、1日に2回服用する必要はなく、医師の処方が間違えている可能性が高いと考えられます。

ただ、特別な場合であり、医師が敢えて1日2回服用にしている可能性もありますので、担当医師もしくは薬剤師に確認してみることをお勧めします。

アベロックス400を飲んだ直後吐き気を催し、すぐ嘔吐してしまいました。大丈夫でしょうか?

薬の副作用では、服用直後に吐き気を催すことは非常にまれです。

可能性があるとすれば、ショック・アナフィラキシー様症状です。吐き気の他に、じんましん、皮膚のかゆみ、息苦しさ、顔の腫れ、意識消失がある場合は危険な状態ですので、すぐに病院に行くか、近くに病院がない場合には救急車を呼んでください。

そうでなければ、感染症の症状などアベロックスと関係のない吐き気の可能性が高いので、様子をみてもらって構いません。もし、不安でもう飲みたくない場合には、医師に連絡して、他の薬に変えてもらいましょう。

アベロックスを服用中下痢の症状が続いていますが、服用を続けるべきでしょうか?

アベロックスの副作用の中で、下痢の症状は発現頻度が高いもの(国内の臨床試験では4.8%)になります。

軽度であれば、そのまま服用しても構いません。一方、トイレに行く回数がかなり増えた、水っぽい便が続くような重度の場合には服用を中止し、医師にその旨をお伝えください。

アベロックスを服用してから慢性扁桃腺炎がすっかりよくなり手放せなくなりました。長期にわたっての服用に問題ありませんか?

アベロックスは、耐性菌は出にくいとされていますが、使い続けると耐性菌が出ることは容易に予想できます。

そのため、扁桃炎で使用する場合には、原則として7日以内の服用とするようになっています。

使い続けると耐性菌を作ってしまい、抗生物質が効かない扁桃炎になってしまう可能性もありますので、長期にわたって服用することは避けるべきです。

他にも慢性扁桃腺炎に効果がある抗生物質はあり、適切で効果的な薬を処方してくれますので、一度、医師に相談してみてください。

副鼻腔炎を発症し、アベロックスを5日分、その後クラリスを9日分処方されましたが3日経っても症状の改善がありません。アベロックスを中断しクラリスを飲み始めていいのでしょうか?

感染症の原因細菌や病状によっては、アベロックスの症状が出るまでに3日以上かかることがあります。

アベロックスとクラリスの組み合わせで処方されているとのことですので、効果が出にくいと医師が判断したと考えられます。そして医師が最適だと考える内容で処方しているはずですので、医師の指示をしっかり守って服用することが大切です。

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